『虹を掴む男』という映画は1947年のダニー・ケイ主演コメディ。『虹をつかむ男』は西田敏行主演の寅さんオマージュ山田洋次映画。どちらも原作はユーモア小説家ジェームズ・サーバーの短編『ウォルター・ミティ氏の秘密の生活』。高校生の頃、和田誠さんの『お楽しみはこれからだ』に紹介されていたダニー・ケイの作品をテレビで見て、原作が読みたくなって文庫を買った。もしかしたら今もどこかにあるかも。 寅さん映画のアバンタイトルはいつも寅の夢の世界だった。寅の夢は、その時々のはやりもんを組み込んだ物語になっていて、現実の寅とは違う劇的なヒーロー寅次郎が活躍するんだよね。それはつまり、寅もウォルター・ミティなんだってことで、山田洋次は『虹を掴む男』が好きなんだろうということ。 というか、映画ファンはみんなどこかウォルター・ミティで、自分が映画の主人公になる物語を妄想して楽しむもの、だったと思う。少なくとも私はずっとそうだったし、今だってそうでありたいと思っている。 さて。というわけで久々に映画化された『ウォルター・ミティの秘密の生活(原題)』邦題は『LIFE!』。ベン・スティラーが監督・主 ...