映画監督 増村保造Yasuzo Masumura Retrospective 2014.6.24-8.102014.8.19-9.7http://www.momat.go.jp/FC/NFC_Calendar/2014-7-8/kaisetsu.html増村保造(1924-1986)は、戦後日本映画の新世代を代表する映画監督です。大学卒業後の1947年、大映東京撮影所に助監督として入社し、その後ローマの国立映画実験センターへの留学(1952-55)、また溝口健二や市川崑作品の助監督を経て、1957年に『くちづけ』で鮮烈な監督デビューを果たし、一躍脚光を浴びます。その後も大映の専属監督として話題作を撮り続け、大映が倒産する1971年までの15年間に48本の作品を監督しました。以後はフリーとなり、勝プロダクションや大手映画会社の作品を演出する傍ら、プロデューサーの藤井浩明、脚本家の白坂依志夫と独立プロダクション「行動社」を興して重要作を撮り、9本(大映時代と合わせて生涯で計57本)の作品を監督しました。また、テレビドラマにも精力的に関わり、多くの監督・脚本作品を残しています。 青年時代に戦中から戦後の社会的大変動を体験し、イタリア留学時に人間の美しさと強さを発見・確信した増村は、日本的情緒や雰囲気に抗い、主張し戦う強烈な自我を持った「個人」を、映画の中で生涯一貫して追い求めました。そしてそれは、性愛や資本主義、暴力といった欲望を、スピード感溢れる語り口でダイナミックに、ほとんど狂気に至るまで表現するという、日本映画においては稀有なスタイルへと結実しました。その達成は、増村の没後から30年近くが経った現在においても、変わらず輝きを放ち続けています。 本企画は、増村保造監督作品のフィルム57本(うち1本はテレビドラマ)を一堂に集めた、大回顧特集となります。フィルムセンターの大スクリーンで、増村映画のダイナミックな魅力を是非お楽しみください。上映作品リスト1くちづけ(74分・35mm・白黒)2青空娘(88分・35mm・カラー)3暖流(94分・35mm・カラー)4氷壁(96分・35mm・カラー)5巨人と玩具(95分・35mm・カラー)6不敵な男(85分・35mm・白黒)7親不孝通り(80分・35mm・白黒)8最高殊勲夫人(95分・35mm・カラー)9氾濫(98分・35mm・カラー)10美貌に罪あり(87分・35mm・カラー)11闇を横切れ(102分・35mm・カラー)12女経じょきょう(100分・35mm・カラー)13からっ風野郎(96分・35mm・カラー)14足にさわった女(85分・35mm・カラー)15僞大学生(94分・35mm・白黒)16恋にいのちを(92分・35mm・白黒)17好色一代男(92分・35mm・カラー)18妻は告白する(91分・35mm・白黒)19うるさい妹たち(95分・35mm・白黒)20爛ただれ(88分・35mm・白黒)21黒の試走車テストカー(94分・35mm・白黒)22女の一生(93分・35mm・白黒)23黒の報告書(92分・35mm・白黒)24嘘(99分・35mm・カラー)25ぐれん隊純情派(93分・35mm・白黒)26現代インチキ物語 騙し屋(90分・35mm・白黒)27女の小箱・より 夫が見た(92分・35mm・カラー)28卍(90分・35mm・カラー)29黒の超特急(93分・35mm・白黒)30兵隊やくざ(102分・35mm・白黒)31清作の妻(93分・35mm・白黒)32刺青いれずみ(86分・35mm・カラー)33陸軍中野学校(95分・35mm・白黒)34赤い天使(95分・35mm・白黒)35妻二人(93分・35mm・カラー)36痴人の愛(92分・35mm・カラー)37華岡青洲の妻(99分・35mm・白黒)38大悪党(93分・35mm・白黒)39セックス・チェック 第二の性(89分・35mm・カラー)40積木の箱(83分・35mm・カラー)41濡れた二人(82分・35mm・カラー)42盲獣(84分・35mm・カラー)43千羽鶴(96分・35mm・カラー)44女体じょたい(95分・35mm・カラー)45でんきくらげ(92分・35mm・カラー)46やくざ絶唱(94分・35mm・カラー)47しびれくらげ(94分・35mm・カラー)48遊び(89分・35mm・カラー)49新・兵隊やくざ火線(92分・35mm・カラー)50音楽(103分・35mm・カラー)51御用牙 かみそり半蔵地獄責め(89分・35mm・カラー)52惡名 縄張しま荒らし(103分・35mm・カラー)53動脈列島(121分・35mm・カラー)54大地の子守歌(111分・35mm・カラー)55曽根崎心中(112分・35mm・カラー)56原色の蝶は見ていた(72分・16mm・カラー)57この子の七つのお祝いに(111分・35mm・カラー)