角川書店、松竹、東映、東宝、日活が持つ膨大な作品群から、昭和30年代から40年代の日本映画を中心に、全国のDVDレンタル店にてコーナー展開を行う共同企画、「昭和キネマ横丁」が実施中だ。日本映画界が最も活況を呈していた当時、東宝の看板女優として数々の作品に出演し、黒澤明監督作品や、成瀬巳喜男監督作品でも知られる名女優、司葉子に話を聞いた。約150作品にものぼる今回の作品ライブラリーを前に、「財産ですね」と司は言う。映画が娯楽の王様として君臨し、大映(角川書店)、松竹、東映、東宝、日活の5社がより良い作品、他社を出し抜くヒット作を目指して、しのぎを削っていた時代。「当時は全盛期だという自覚なんてまったくなかったのですけど、今思えばすごい時代でしたよね。監督も素晴らしい方々がいらっしゃいましたが、カメラマンや照明さん、美術スタッフなど、技術者集団としても当時が頂点だったと思います。なにせ、まったくの新人だった自分が、カメラの前に立てば一人前の女優に映るんですから(笑)」と振り返る。「昭和キネマ横丁」では、三船敏郎共演のクライムアクション「暗黒街の対決」(監督:岡本喜八)、森繁久彌共演のコメディシリーズ「サラリーマン忠臣蔵」「続・サラリーマン忠臣蔵」(監督:杉江敏男)がラインナップに並ぶ。司は「三船さんはすごく優しい方で、現場で立っているとどこからか椅子を持ってきてね、『よう、葉子ちゃん。座りなよ』と声を掛けてくださるんです。黒澤監督作品の荒々しい役とは、まったく対照的」「森繁さんは相手の良いところを引き出そうとする方。本番前に、三木のり平さんやフランキー堺さんら共演の皆さんと、監督そっちのけで面白いアイデアを出し合って……私たちニューフェイスは会社に守られて離れて見ているんですけど、最高に楽しかったです」と、共演者とのエピソードを明かす。、、、「昭和キネマ横丁」は、TSUTAYA、ゲオほか全国約2000店のDVDレンタル店で展開中。 映画.comhttp://eiga.com/news/20140301/4/