2014年7月26日よりロードショー河瀬直美監督が奄美大島を舞台に力強く描いた、死から生へと続く物語カンヌ国際映画祭常連の河瀬直美監督による最新作は、舞台が奄美大島。映画の冒頭を飾るのは、島の老人による山羊の屠畜場面だ。国際映画祭の審査で不利に働きかねない描写だが、あえて最初に盛り込んだのは作品の方向性を示す重要なシーンだからだろう。その方向性とは、死から生に向かうベクトルだ。死は終わりではなくすべての始まりだというメッセージが、この映画ではあちこちから聞こえる。画像1山羊は死んで肉となり、人間に食べられることで新しい生を得る。これと同じ「死から始まる命の連続性」を、16歳のヒロイン、杏子(吉永淳)は自分の中に見出す。母が余命宣告を受けたことをきっかけに死と向き合った彼女は、死にゆく母の存在が自分に受け継がれ、それがまた次の世代につながって永遠に生きることに気づいていく。一方、杏子と同じ16歳の主人公、界人(村上虹郎)の場合は、夜の海で母と関係のあった男の死体をみつけたことをきっかけに、大人への通過儀礼を受けることになる。彼の通過儀礼の最大の試練は、母親の女性の部分を認めること。さらに東京生まれの彼は、島の男として生きる覚悟も問われることになる。、、、詳細は下記まで! 映画.comhttp://eiga.com/movie/79008/critic/