女優・中野リエさんのこと役者・久保新二さんのFacebook回顧録は、いつも次を心待ちにしていて、毎回とても面白く、楽しく拝読しているのだが、過日の、女優・中野リエさんをめぐる“衝撃の告白”は、私には大々ショックだった。今回の同じ話題のご投稿ではなく、少し前にアップされたほうである。中野リエ。1970年代後半に「元・学生運動の闘士」という大々的なふれこみで成人映画の世界を沸かせ、その歴史に名を刻んだ女優である。闘士云々というキャッチフレーズについては、私も同時代を真剣に生きた者の一人として いろいろ思うところはあるのだが、それはまた別の機会にゆずるとして、以下に 久保新二さんの その“衝撃の告白”を ご紹介する。「『誰も知らずピンクをやめたりえ』 ピンク映画にひさしぶりに明るい話題は、現役専修大学のN、りえが大蔵映画からデビューした~(略)~わずか4年で70本ほどの映画に出まくった。新人のりえは忙しかったネ。~(略)~俺が絡みをアドバイスしながら耳元で『りえと2人きりになりたいね』とささやくと、りえはうなづいた。撮影が終わった翌日、俺たちは大久保駅にちかいラブホで体をぶつけあった・・・」さて。もちろん こちらは久保さんのような“いいこと”などはなかったのだが、それでもショックを受けたのは、中野リエさんは小川 恵さんに次いで最も密に現場をともにした、いわば同志のような存在だったからである。彼女は、時期的に この久保さんとのあいだの出来事のあと、私の助監督仲間のKと真剣につきあっていて、彼ら双方から その交際について ときどき相談を受けていたぐらいなのだ。城戸賞をいただいたシナリオ『助監督』には、その際の実話をふくらませたエピソードを散りばめている。作中の『野中エリ』とは、中野リエのことである。