鶴田 法男8月21日。『Z~ゼット~果てなき希望』、シネマート心斎橋の今日、明日の上映をもって劇場公開終了です。大阪の皆様、ぜひこの機会にスクリーンでご鑑賞をいただければ幸いです。本作のプロモーションで多くのインタビューを受けたので、音楽について絶対聞かれるだろうと身構えていたのですけど、一度も質問を受けず意外でした。実はゾンビ処理班の車から流れる「美しき青きドナウ」と、病院に籠城する男のCDプレイヤーから流れる「花のワルツ」以外、一切音楽をかけていません。この作品のために作った音楽は無いです。本作には劇盤というものがありません。世の中から大きな電力を作る発電所が無くなったら、不便で生活できなくなるとおっしゃる方がいるわけですけど、だったらこの映画にも不便を強要して、成立しなくなるのかを検証してみようと考えたのです。最近の映画やドラマは音楽をベッタリ付けて飽きないように作られています。でも、19世紀末に誕生した映画に音は無く、それでも観客は充分に楽しんでいました。だったら映画に音楽が無くてもなんとかなるだろうし、生活だってなんとなるだろうと思うわけです。贅沢や便利を知ってしまうとなかなか捨てがたくなります。でも、みんなが贅沢を望まなければ不便な事があったとしても不便に感じないと思うのです。最新のドルビーアトモスには多大な興味がありますけど、一方で、映画は映像さえあれば成立する娯楽芸術であることも忘れてはならないし、実は普段の生活も同様では無いかと思うのです。てな、事を答えようと思っておりました。スピンオフも収録された6巻組のDVDが既にレンタル&発売されておりますが、私自身は映画のつもりで作ったので今日、明日の上映でスクリーンでご覧いただければとても幸いに思います。よろしくお願いします。http://www.cinemart.co.jp/z/