第27回東京国際映画祭の最終日には、世界各国からコンペティション部門に選ばれた15作品の中から栄えある受賞者が選出 されます。その審査を担当してくださる5名の審査委員の皆様をお迎えして、記者会見が行われました。日時・場所 10月24日(金) 11:00~ @スクリーン3登壇者 ジェームズ・ガン(審査委員長)、イ・ジェハン、ロバート・ルケティック、エリック・クー、デビー・マクウィリアムズ、品川ヒロシジェームズ・ガンさん: 私は日本の文化や日本映画が大好きです。日本には行きたいとずっと思っており、今回は素晴らしいチャ ンスでした。初めて日本を訪れましたが、審査委員長として初めて訪日ができるなんてとても幸せです。日本に来ることができて 非常に嬉しいですし、作品の審査もとても楽しみにしています。ひとつショックだったのが、昨日のレッドカーペットの映像を見て始 めてウルトラマンが参加していたことを知ったのですが、私はウルトラマンの大ファンなので、会えなかったのがとても悲しかった です。今回の審査のポイントとしてはシンプルに、いちばん好きな作品を選びたいと思っています。映画によってもたらされる感情 はひとつではありません。私自身は異なる世界に連れて行ってくれるような映画、自分を改めて深く理解することができる映画、 映画館から出た時に人が好きだという気持ちになれるような映画が好きです。映画の素晴らしいところは、多くの役目を果たすこ とができることです。今回、感動する作品に出会うことを何よりも楽しみにしています。イ・ジェハンさん: 東京国際映画祭の審査員として選ばれ、大好きな日本に来ることができ非常に嬉しく思います。私は『サヨナラ イツカ』という映画を製作したこともあり、特に日本に対する思い入れがあります。他の審査員にもお会いして、和気あいあいとし た雰囲気の中、彼らと一緒に審査をすることを楽しみにしています。作品の審査には、あまり深く考えすぎずに臨みたいです。審 査委員としてというより、個人的には、まったく見たこともない作品に出会うことを楽しみにしています。ロバート・ルケティックさん: 今回見る映画で世界を旅した気分になると考えています。日本に来るのは2回目ですが、東京は素 晴らしい都市で日本文化も大好きです。この映画祭も非常に組織立っていて、日本の素晴らしい文化を象徴しているイベントだと 思います。この映画祭で審査委員を務めることを楽しみにしています。私にとって、映画というのは昔から希望を象徴するもので す。現在は世界中の多くの人々が危機的な状況にありますし、人生の岐路に立った時にどの道を進むべきか迷うこともあると思 いますが、そんな時でも希望を与えてくれる映画、ともに困難を乗り越えていこうという気持ちにさせてくれる作品を選びたいで す。エリック・クーさん: 東京国際映画祭では、1997年の2作目以降、私が製作した映画をすべて上映していただいており、私にとっ て特別な意味を持っていますので、審査委員に選ばれ光栄に思っています。私は昔から日本の漫画がとても好きで、劇画作品で 知られる辰巳ヨシヒロさんを描いた作品が日本でも来月公開されます。そちらもぜひ見ていただければと思います。審査をするに あたっては、自分の心に訴える作品、自分の感情が反応する作品を選びたいと考えています。デビー・マクウィリアムズさん: 私にとっても2度目の東京です。紅一点としてハンサムな男性に囲まれとても嬉しいです。私以外 は皆さんが監督ですが、私も自分の意見をしっかりと言わせていただこうと思っていますし、映画を通じて旅を共にすることを楽し みにしています。おそらく我々審査委員が求めているのは、自分の固定観念を変えるもの、未体験の場所に連れて行ってくれる 作品ではないかと思います。通常、映画館に行く際には、自分が好きであろうという映画を見に行くと思いますが、今回の審査に あたっては全く予備知識がありません。通常は映画を見る際には事前にさんざん広告を見せられ、ある程度の内容もわかった上 で見に行くわけですが、今回見る作品については広告宣伝的な要素に触れることなく、純粋な気持ちで見ることができることに大 きな魅力を感じています。品川ヒロシさん: 何年も前から、東京国際映画祭はすごい映画祭だなと思ってはいたんですが、実際参加させてもらってレッドカ ーペットやパーティなど、すごく自分の中でもテンションがあがりました。最初お話いただいた時は、普段芸人をやっているので、 また文化人ぶりやがってみたいなことを仲間に言われるので、どうしようかなと思いました。でもメンバーを聞いてあまりにも豪華 だし、皆さんの映画のファンだし、そういう人たちと仕事をしたりお話ができるのは、少々みんなに揶揄されてもやっとくべきだろう なと思ったので受けました。まだ映画も見始めていないですけど、もうすでに毎日が刺激的で、これから映画を見て話し合っていく のがすごく楽しみです。僕はこの中で一番キャリアが浅いのでお客さんに近い感覚だと思うし、映画ってお客さんのものだと思う ので、なるべくお客さんっていう気持ちで見て面白いと思った作品を選ぼうと思っています。だから、なるべくチラシや資料も見な いし、役者や監督が誰かも見ないで先に作品を見て、そこから皆さんと話し合って決めていきたいと思います。最後に、映画祭というものの意義について、「映画というものが単なる商品として扱われる世の中で、商業的価値以外の観点で作 品が評価されること、映画祭が担うそうした役目は素晴らしいものだと思います。心がこもっていないが莫大な興行収入を得る映 画が蔓延する世の中で、真の芸術としての映画作りが消えていくことがないよう、メディアの皆様にはぜひ東京国際映画祭のこと を広めていただきたいです」と、ジェームズ・ガンさんが語りました。