ダイアン・クルーガーの新しい魅力『バツイチは恋のはじまり』 ダイアン・クルーガーが、こんな素敵なコメディエンヌだなんて!そんな驚きも含めて楽しめるラブ・コメディ。 イザベル(ダイアン・クルーガー)は李王的な恋人ピエールと同棲中。そろそろ子供も欲しいし結婚しどきかな、と考えている。唯一の障害は、彼女の一族につきまとうジンクス。一度目の結婚は必ず失敗し2度目でハッピーになれる、というもの。ピエールと幸せな結婚生活を送るためには、なにがなんでも1度は離婚しておかねば。というわけで、妹がお膳立てしてくれた結婚・即離婚の計画に乗ったのだった。 お金で話をつけた相手としかるべき手続きをサクっとしてお終い、のはずだったのに、相手は約束の場所にいない。焦ったイザベルが、代わりに白羽の矢を立てたのが、たまたま飛行機の隣席に座った旅行本の編集者ジャン・イヴ(ダニー・ブーン)。いかにもモテなさそうなガサツ男だ。彼を落とすため、アフリカ旅行にまで付き合うはめになったイザベルは、次々にトラブルに見舞われるなか、決してメゲず明るくポジティブなジャン・イヴに、やがて惹かれていく。 イザベルってば、そこまでする?って感じもあるけれど、テンポのいい運びに乗せられ笑っているうちに、ほんわかハッピーエンドまで運ばれてしまう。ジャン・イヴを追うイザベルはアフリカからロシアまで行っちゃうのだけれど、それぞれの風景や食べ物が、またお楽しみポイントになる。 でも、やっぱりクルーガーの新鮮な面がいちばんの見もの。『トロイ』(04)のヘレンとか『マリー・アントワネットに別れをつげて』(12)のマリー・アントワネットとか、クール・ビューティの代表みたいな彼女が、フランスきっての人気コメディアン、ダニー・ブーンの向こうを張って弾けたコメディエンヌぶりを発揮しているのだ。でもって、いかにもキャリアっぽいファッションからアフリカンなウェア、おしゃれなコートまで、あれこれ着こなしてみせるのも、嬉しい。かつて英国ロイヤル・バレエでダンサー目指していただけあって、素晴らしいプロポーションだし。 本筋のラブ・コメディはもちろん、さまざまなポイントが楽しめちゃう作品なのだ。