韓国映画「不器用なふたりの恋」(2010)2014年11月29日 ほどよい甘さ、ほどよいコミカルさ、ほどよいダメ男さを演じるとわれらがアン・ソンギは抜群だね 「 いいね、いいね、アン・ソンギ! いままで観たアン・ソンギの中ではもしかして最高!?わたしゃ腹抱えてケラケラ笑っちゃったよ…「不器用なふたりの恋」の不器用な「ふたり」とは、このふたり。韓国随一の有名カメラマン…、ではなく、韓国随一の有名カメラマンの腕を持ちながら、カメラマンになることもなく、なぜか韓国随一のカメラ修理マンとしてソウル(?)の片隅でひっそり個人営業をしているキム・ヒョンマン(アン・ソンギ)…。寄る年波は隠しようもなく、当年50ン歳。この男、ひきこもってカメラをいじりまわしてきたので(?)この齢まで女性にも恋にもまったく縁がなく、いまだ独身!(笑)そして、いまだ独身のヒョンマンを慕うのは、ただただ、男たちの、この4人だった。左から2番目の甥っ子(メガネ)。同じく3番目の押しかけ弟子その1(兼従業員)。背中を見せている4番目の押しかけ弟子その2(兼従業員)。右端の写真家チョンソク。3人はわかるけど、甥っ子はなんでよ?オタク的カメラ修理工のおじさんを尊敬してるのかよ?とんでもござらん。わが身が現在進行中の恋模様を、恋とは無縁に生きてきたこのおじさんに逐一話して聞かせるのがなにより楽しみなのだ(笑)。おじさんに似て、なんか爺臭いやっちゃで(笑)。聞かされるたびにおじさんは怒る、その話はもう何十回も聞いたぜ!(笑)で、不器用な「もうひとり」は、このひと。25歳の現役女子大生、ナムン(イ・ハナ)。彼女、じつはヒョンマンの友人であるキヒョクのひとり娘。キヒョクは、ヒョンマンの全財産を借り逃げする。どころか借金取りたちに追われて、娘と転々と逃避行するが、ついにガンで逝ってしまう。逝く前に、ヒョンマンと入院先で再会。で、「おれの…、おれのひとり娘を頼む…、ゲホッ!」と遺言を残す(笑)。ヒョンマンは、「まったくあの野郎、死後まで迷惑かけやがって」とブヅブツ言いながら、仕方なく作業所近くのアパートへナムンの様子を窺いに。ド、ドキッ…、セクシー!(笑)卒業式(高校の?)に写真を撮ってあげたが、あの子がこんなに立派な女に成長して…!(笑)ナムンはちょっと変わった娘。話し方が変。説明するのが面倒臭くて、しないが…(笑)。冬でもないのにマフラーを手放さない。洗濯が好き。ストレスが溜まるとこうやって壁をほじる(笑)。そしてなにより変なのは…、機械に神秘性を感じ、神秘に囲まれて生きてる25歳以上も年上の、さしてとりえのないこのヒョンマンを好きになるところ(笑)。なんだよねえ。おじさんの衣類、洗濯してあげるって、洗濯にかこつけながらせっせとヒョンマンの作業所に通い、おじさん、かわいい~!お~、ヨチヨチ、お口のまわり拭いてあげる~、お口、洗濯してあげる~(笑)。ヒョンマンを師と慕う男たちは、ただ口をあんぐり…、呆然…(笑)。これは、写真家に誘われて、ナムン、弟子その2を連れて海辺に刺身を食いに行った折り…。ヒョンマンは途中でひとり勝手に席を立った。う~ん、なんだろ、この面白くなさは?ナムンがあいつらとキャッキャキャッキャ騒いでるから?(笑)もしかしてこの胸の騒ぎは嫉妬というやつ!?(笑)そんなこんながあった後、ナムンもついにブチ切れた。なによ、おじさん、私がこんなに押し捲ってるのにとぼけちゃって!全部言わなきゃわかんないの、ボケナスっ!と(笑)。ナ、ナムン、韓国の大統領になんてことを…!(笑)ヒョンマンは悩んだ、人生初の悩みを、腹の底から(笑)。ナムン、ナムン、おまえはセクシーだ(笑)。だが、おまえはおれの友人の娘だ。しかもオレとおまえは齢が25歳以上も違う。こ、この心は不道徳だ。私を尊敬する弟子たちも愛想をつかすだろう!どうする、どうする、ああ、どうする?(笑)ひとりで悩んでもしょうがない。弟子どもに電話して聞いてみよう。おい、おまえたちはオレが不道徳をしても尊敬するか?お~、ありがと!決心がついた!ヒョンマンが走る。全速力で走る、ナムンのもとへ!50ン歳どころではないアン・ソンギが走る。走ったこともない超スピードで、娘のような年齢の女のもとへ、恋の告白に!おお、見よ、このアン・ソンギの狂ったような走りを!(爆)そしてゼエゼエ息切らしながら恋の告白をするアン・ソンギ(笑)。どしちゃったの?と、引き気味になるナムン(笑)。50ン歳の初恋を…、春の訪れを満喫するアン・ソンギおじさん(笑)。いいないいな、羨ましいなあ!(笑)友人ヒョンマンの初恋を知り、神に謝るカン牧師(笑)。同じくヒョンマンの初恋を知り、怒鳴りこんでくる友人にしてナムンの後見人でもあるユン社長(笑)。さてさて、この恋の結末(成り行き)は?みたいなお話…。全体的にMV(ミュージックビデオ)風の作り方になってるのだけど、主な舞台になってるカメラ作業所の絵(映像)と、音楽がとてもうまく使われててめちゃ面白かったよ。なんたってアン・ソンギがいい。ほどよい甘さ、ほどよいコミカルさ、そしてほどよいダメ男さ。そういうのをやらせると、この大ベテランの右に出るものはいないよなあ。大拍手…!しかし、アレだね。近年の韓国映画でも、遅れて入ってくる韓国映画ほどいいよね。前からそう思ってたけどさ…(笑)。オススメの韓国映画らしい韓国映画だよ。■117分 韓国 ロマンス監督:シン・ヨンシク脚本:シン・ヨンシク撮影:チェ・ゴニ音楽:キム・シニル出演アン・ソンギイ・ハナユ・インナ自分の世界に閉じ込もった男が,娘のような歳の女性の予期しない登場により,その世界をうち破る成長映画。50を越えるまで恋愛を一度もしたことがないヒョンマンは,友だちに騙され,貯めていたお金をすべて無くし,家もなく,写真作業室で生活している老いた未婚男だ。ある日,ヒョンマンに詐欺を働いた友だちが,自分が死んだら一人になる娘ナムンのところに時折立ち寄って世話してくれという言葉を残して死ぬ。ヒョンマンは,思ったよりとても大きいお嬢さんになったナムンの姿に驚くが,一週間の間に,父と,父よりさらに愛した猫を失った痛みに悲しんでいるナムンを時折見てあげることにする。ナムンも結婚できずに一人で暮らすパパの友だちヒョンマンを痛ましいながらも,おもしろい人だと考える。ヒョンマンの洗濯を言い訳にして頻繁な出会いを持つようになり,ナムンがヒョンマンに積極的な関心を表現し始め,ヒョンマンは当惑するが,初めて感じるこの感情が気になる。このようにヒョンマンとナムンは,「パパの友だち」から「オッパ」になって,二人は,人目にもおかしなデートを始める。