「今日、12月20日は、『家族ゲーム』の森田芳光監督、そしてこの作品に父役で出演もされていた、伊丹十三監督の命日。「家族ゲーム」といえば思い浮かぶのが、この家族が一列に並んだ、象徴的な食事場面だ。撮影当時、現場に居合せたという製作のかたに教えていたのだが、この場面は、森田監督が撮影中にひらめいたアイデアを、急遽採用したものだったそう。それまでは普通に、向かい合わせに座っていた家族たちの、表情と関係性が、リアルに可視化され、この映画を牽引して動き出すかのような瞬間だったのではないだろうか。そんな撮影秘話を聞くと、いつもちょっとドキドキしてしまう。森田監督はいつもそんなふうに、撮影中にどんどん変更を加えていく。エネルギッシュな監督のたたずまいと、はりのある肉声は、いまも私の記憶の中にあって、なつかしく思い出される。(園田恵子)12/20の今日は、『家族ゲーム』森田芳光監督、そして父役の伊丹十三さんの命日。お二人が残された作品の数々に思いを馳せて。■『家族ゲーム』(1983年)より©1983 日活/東宝 http://kingvideo.eng.mg/cc776キングレコード映像制作部/KING RECORDS