テリー・ギリアム監督を『ラスベガスをやっつけろ』(98年)でロンドンで取材したとき、すべての曲の音楽使用料が、日本円にして1億5,000万円もしてブッたまげた。 1971年のロックの名曲が多く使われた*_この映画、ジミ・ヘンドリックスの曲を除けば (作品の内容が内容だけに遺族の許可が下りなかった) 、お望みの曲を使用できたらしい。 中でも、ローリング・ストーンズの「ジャンピング・ジャック・フラッシュ」は、5,000万円らしい。キース・リチャーズが親友なので、半額になったとか。しかし、2,500万円とは高すぎる。 もしかして、俳優の高倉健さん、堺雅人さん並に高いのだ。 音楽録音料はシンクロナイゼーションといい、国際法の取り決めのもとにあるから、ベラボーに高いのである。 映画に使われる音楽を劇伴音楽という。劇伴音楽でいえば、エンニオ・モリコーネ作曲の『続・夕陽のガンマン/地獄の決斗』(66年)の「エクスタシー・オブ・ゴール ド」や『ウエスタン』(68年)のテーマ曲のほうが、映画のために書き下ろしたぶんだけ感動的だ。しかし、既成曲を使うのは何らかの意味がありそうだ。 本コラムは、映画1本1本で使われた既成曲を解説する音楽案内であり、クラシック、ジャズ、ロック、ポップスなど、ありとあらゆるジャンルを総括する音楽指南書だ。月3本程度ずつ更新していく予定である。第一回 『2001年宇宙の旅』(68年) ♫ヨハン・シュトラウス「美しき青きドナウ」http://cinefil.asia/media/17062909